Q & A

Q1 わが社ではもともと感染症の発症者は少ないのですが、それでも企業で予防接種に関する助成制度を導入したほうがよいのでしょうか?

A1

これまで感染症の発症者が少なくても、その状態が今後も継続される保証はありません。感染症対策の一つである予防接種制度の導入により集団免疫を獲得することで、予防接種を控える人も感染症から守ることが可能となります

感染症は、「①感染源、②感染経路、③感受性者」の3つの要因が揃うことで感染します1)。これらの要素を取り除くことで、感染するリスクは低減します。方法は、次の通りです。

感染源の排除

ウイルスや細菌など病原体を含んでいる可能性がある血液、体液、嘔吐物、排泄物などが感染源とされます。これらは、素手では触らず必ず手袋を着用して対応するようにします。

感染経路の遮断

感染経路には、

病原体が付着したものに触れた手で口や鼻、眼などの粘膜に触れることでの接触感染

せきやくしゃみ、会話などで発生する病原体を含む飛沫を介した飛沫感染

病原体を含む飛沫の水分が蒸発し、飛沫核となって空気中を漂うことによる空気感染

などがあり、対策としては、手洗いやマスクの着用を含めた咳エチケットの励行2)などが有効です。

感受性者の減少(健康・免疫の管理)

栄養、睡眠や休養を十分とることが大切です。また、予防接種によりあらかじめ免疫を得ることも有効です。

これら3つの感染症対策は、従業員個人だけで完結するものではなく、企業全体で取り組むことで、より効果を発揮します。

 コロナ禍において、多くの企業が「②感染経路の遮断」対策に取り組まれていますが、更に感染症のリスクを低減するためには、「③感受性者の減少」すなわち集団の免疫や健康のレベルを高める対策も重要です。企業全体で集団免疫の獲得を目指すことにより、感染症リスクの低減が可能になります。

国が風しん対策を企業に協力要請

 また、風しんに対しては、厚生労働省が風しん5期定期事業を実施しています。対象者は働き盛りの男性であり、医療機関に行く時間を作りづらいことから、厚生労働省は企業に対し、定期の健康診断時に風しんの抗体検査を受けられるように協力を呼び掛けています3)


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