Q & A

Q4 わが社でも事業所内でのワクチン接種を導入したいと思っています。どのような準備が必要でしょうか?

A4

会場、人数、接種日時を決め、社内で行う場合には保健所の許可と診療所開設の届出を行います。当日の接種者の時間割り振りなども検討しておきましょう。

 企業が従業員の予防接種に取り組む場合、従業員が個別に医療機関へ出かけるという手段もありますが、医師や看護師に企業へ出向いてもらって実施すると効率的です。従業員が医療機関に出かける時間的・経費的なロスを省くことができます。また自治体の助成が受けられる予防接種の見逃しも社内でチェックできます。

 ただし、企業が社内の一室で予防接種を行う場合には、予防接種を行う産業医または医療施設が、その度ごとに地域の保健所に許可を得て診療所開設の届出等を行う必要がありますので、早めに決定することが望まれます。事業所内接種の実施会場は、広さとしては会議室やミーティングルームを利用するのが良いと考えられます。稀ではありますが、アナフィラキシー等の副反応の発生に備え、接種後30分間の経過観察をするためのスペースも設けます。診療所開設の届出についてはQ7も参照してください。

 企業が医療機関へ事業所内接種を依頼する際には、接種予定のおよそ1カ月前には希望日時と被接種者となる従業員の数(必要なワクチン量)を決定し、病院や産業医の先生方への申し込み開始とともにすみやかに伝える必要があります。

 しかし、ワクチンは常に必要量が確保されているとは限りません。たとえば2018年は春先に麻しんが流行して成人への接種需要が増加したため、麻しん風しん混合(MR)ワクチンが一時的に供給不足になるということがありました。接種を決めたら医療機関等へは早め早めの相談が大切になります。

 事業所内接種の際に、被接種者である従業員が同じ時間帯に集中すると待ち時間が長くなり、業務上のロスも大きくなります。そうならないよう、医療機関と事前に相談し、時間ごとに最適な数の従業員を割り振るといった準備も必要になります。


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